タイの掲示板サイトPantip.com

タイの掲示板サイトPantip.com

タイの掲示板サイトであり、タイで、『実質』1位のアクセス数を誇るサイト「Pantip(パンティップ)」についての問い合わせが多いため、まずは「Pantipとは何か」ということを簡単に説明したいと思います。

「パンティップ」という名前の由来について、「パン」とはタイ語で1000という意味があります。ティップは英語から来ており「Tips」です。つまり、世の中の数々のTipsを集めたサイト、「1000Tips」という意味を込めてつけられた名前です。しかし、現在では巨大化し、世の中のありとあらゆることを質問したり、話をしたり、紹介したりする巨大な掲示板となっています。

Pantipは大型掲示板であることから「タイの2ちゃんねる」とよく表現されていますが、実際のところはほぼSNSです。Pantipは匿名性が非常に低く、2ちゃんねるというよりはFacebookに近い存在です。

Internet Marketing Co., Ltd.という企業によって運営されており、アングラ感もほとんどありません。

Pantipの基本情報

Pantipは1996年に設立された掲示板サイトです。タイ社会でのありとあらゆる内容を対象としており、現在、35ルーム、8000タグが存在しています。

公式資料には35ルームとありますが、実際には記事執筆時(2017年9月)において36ルーム確認できます。
Pantip説明資料-1

Pantipのアクセス数

2015年から2016年の1年間のデータによると、月間4億5000万PV、一日あたりの訪問ユーザー数420万人、延べスレッド数3400万とあります。

Alexaの統計結果ではタイ国内で5位のアクセス数となっていますが、上位4位まではGoogle.co.th、Facebook、Youtube、Google.comです。
これは、実質1位と言ってしまっても過言ではないでしょう。

Pantipの受賞歴

2014年にLonely Planet(地球の歩き方の英語版のような本)より、Best Travel Website in Thailand を受賞しています。
厳密には、Pantipが受賞したわけではなく、Pantipの中のBlueplanetルーム(旅行についての話をする板)が受賞しました。

Pantipのルームについて

35(36)「ルーム」という部分を説明します。Pantipはスレッドの内容ごとにカテゴリが分けられており、そのカテゴリはタイ語で「ห้อง(ホン)」と呼ばれており、日本語では「部屋」「ルーム」という意味になります。日本では「板」と呼ばれるものにあたります。

また、それぞれの部屋の名前は、そのカテゴリ名そのものが部屋名である場合もあれば、カテゴリに関連のある部屋名が付けられている場合や、隠語のようなタイ語である場合もあります。
例えば、「カメラ・写真」に関する部屋名は「カメラ」ですが、動物に関わる部屋名は「チャドチャック」です。これはチャドチャック市場という場所で様々な動物が販売されていることから来ています。
数あるルームの中で圧倒的な人気を誇るのは「ブループラネット」と呼ばれる、旅行用のルームです。

以下が、Pantipのルームリストです。

分かりやすいように表にまとめてみました。

Pantipのタグについて

また、8000あるというタグは、部屋よりも小さな単位での関連性を表すもので、ルームを跨いで使用することができます。しっかりとカテゴリ分けされているルームに比べると、タグは乱立しており似たようなタグもあります。
以下はあるスレッドでのタグ例です。このスレッドに設定されているタグは4つあり、それぞれ「Samsung Galaxy」「Samsung Smartphone」「โทรศัพมือถือ(携帯電話)」「สมาร์ทโฟน(スマートフォン)」となっています。

Pantipのスレッドについて

Pantipではスレッドのことを「กระทู้(グラトゥー)」と呼びます。グラトゥーとは「トピック」に近い意味を持つタイ語で、一般的なニュースにも使われている普通のタイ語ですが、Pantipを知っている人からすればどうしてもPantipを思い出してしまうほどの浸透度です。
以下は、Googleで「กระทู้(グラトゥー)」と検索した上位5位までの結果ですが、3位を除く全てがPantip、またはまとめサイト(Facebook)です。

Pantipのスレッドの種類

Pantipではスレッドを立てる際に、スレッドの種類を5種類の中から選ぶ必要があります。例えば「質問スレッド」「会話スレッド」のような形です。その種類はスレッドの上部に表示され、それぞれのスレッドには細かく規定があります。

以下が全5種類のスレッドタイプです。

会話スレッド

一般的なトピックに関して議論や意見交換をするためのスレッドです。

質問スレッド

質問や疑問がある場合、または何かしらの助けを必要としている内容についてのスレッドです。

レビュースレッド

製品やサービスのレビューを紹介するためのスレッドです。

ニューススレッド

興味深いニュースなどについての議論や意見交換をするためのスレッドです。

アンケート(ポール)スレッド

アンケートをとるためのスレッドです。アンケート結果はグラフで表示されます。

販売スレッド

物販をするためのスレッドです。スレッドを立てるためには「身分証明証を登録した会員」であり、かつ、登録後3ヶ月以上経過している必要があります。

Pantipは完全登録制

Pantipはタイの巨大掲示板ということで、「タイ版2ちゃんねる」と呼ばれることもありますが、大きな違いのひとつは2ちゃんねるは匿名掲示板であるのに対して、Pantipは完全登録制であることです。詳しくは後述しますが登録には何種類か段階があり、身分証明証のコピーを送付しないことにはスレッドを立てることはできませんし、決められた一部のスレッドでしか発言することもできません。

Pantip内では自分で設定したユーザーID(ニックネーム)を使用して活動することになりますが、何かあればすぐ本名を公開されてしまいます。すべての発言、スレッドにユーザーIDが紐付けられて、公開されています。そのユーザーIDをクリックすることでそれぞれのユーザーのページにアクセスすることができます。

以下の赤枠の部分をクリックするとユーザーページにリンクします。Facebookやブログを登録して公開している人もいます。

以下はユーザーID「ชายORD」さんのユーザーページです。
自分用の画像を登録することもでき、今までに作成したスレッド、発言したスレッド、保存したスレッドなどがまとめられています。掲示板というよりSNSに近いですね。

Pantipのステマ対策

Pantipのレビューのスレッドには頭に[CR][SR]といった略語が付いているものを目にします。これはPantipのルールによるステマ対策であり、このルールに従わない場合はスレッド主への警告、スレッド削除、酷い場合はユーザーID抹消という対応が取られます。場合によっては、登録されている本名をPantipにより、サイト内で公開されることもあります。

CR = Consumer Review

ユーザー自身が自分のお金で製品、サービスを利用した上でのレビューです。

SR = Sponsored Review

製品メーカー、及びサービス提供企業から何かしらの報酬を受け取って書かれたレビューです。金銭的な報酬に限らず無料で招待されるような形も含みます。

Pantipは修正ができる

これも2ちゃんねるとの大きな違いのひとつです。Pantipでは投稿した内容(スレッド、返信問わず)後から修正することができ、修正前の内容は確認できません。そして最後に編集した時間もしっかりと表示されます。画像内の赤枠部分が最終編集時刻です。

Pantipは返信機能がある

2ちゃんねるではアンカーをつけて返信に近いことをすることができますが、Pantipでは返信機能自体が備わっています。返信した際はコメントボックスの色も変わり、段落も落ちてすぐにわかるようになっています。こういった点もFacebookに近いです。

Pantipのその他の機能

その他の小さな機能について以下で説明します。

「いいね」ボタンに近いもの

以下の数字の部分がFacebookでいうところの「いいね」ボタンに近い機能になります。数字の横にある + のボタンを押すことで「いいね」を伝えることができます。Facebookと違う部分は、この「いいね」に関しては誰がいいねをしたかが分からないという点です。

気持ちを伝えるボタン

上述のボタンの横にアイコンがあり、そこにも数値があります。これはいいねとは別の気持ちを表現する機能です。この数値と上述のいいねの数は関係無く、一切連動しません。それぞれ別の機能、別の数値です。

また、この気持とを表現したユーザーは「一部」ユーザーIDが公開され、クリックすることでユーザーページに飛ぶことができます。下の方に見える部分はユーザーIDの羅列ですが、ある程度の人数を越えると「他○名が気持ちを表現しています」とまとめられます。
そして、Facebookの場合と違い、そのまとめられたユーザーを展開する機能はありません。

Pantipの会員レベル

Pantipの会員には個人情報の確認状況によって3段階のレベルがあります。

Emailを登録した会員

・「質問スレッド」のみを立てる、または回答することができます。
・「質問スレッド」を1日に1スレッドだけ立てることができます。
・画像を投稿することができません。
・アンケートに回答することができません。
・ユーザーID名を変更することができません。
(会員 333333のような名前になります)

SMSを登録した会員(携帯番号を登録)

・「販売スレッド」を除く全てのスレッドを立てる、または回答することができます。
・1日に4スレッドまで立てることができます。
・画像を投稿することができます。
・アンケートに回答することができません。
・ユーザーID名を変更することができません

身分証明証を登録した会員

・全てのスレッドを立てる、または回答することができます。
・1日に4スレッドまで立てることができます。
・画像を投稿することができます。
・アンケートに回答することができます。
・ユーザーID名を自由に設定することができます。

Pantipの強み

Pantipは旅行に関しての内容や、製品、サービスなどのレビューが強く、固有名詞をGoogleに入れるとサジェスト機能により「pantip」というワードが出てくることが多いです。
また、「製品名 + レビュー」と検索してもpantipのスレッドが多くヒットすることが多いです。

タイにホアヒンというビーチリゾートがあるのですが、そこにあるマリオットホテルを使って実際に検証してみます。

Googleに「mariott huahin」まで入力すると、Googleのサジェスト機能の最上部が「pantip」となっています。ちなみに2番目の「agoda」とはタイ最大のホテル予約サイトの名前です。3番目の「โทร(トー)」とは電話するという意味で、4番目の「ราคา(ラーカー)」とは「価格」という意味です。

また、「mariott huahin レビュー」と検索した結果は以下です。検索上位に複数のスレッドがランクインしています。

人気のある旅行レビュールーム「ブループラネット」や「Pantipの広告メニュー」に関してはまたの機会に紹介したいと思います。

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